鳥になった。私が見えた。― 境界線なんて、やすやすと超えられる!

“ゲイリー”
今日はパリ、明日はドバイ、分刻みのスケジュール。…こんな日々が死ぬまで続く。
限界だ。
仕事は電話で辞めた。妻とはSkypeで別れた。あの鳥のように自由になりたい。

 

“オドレー”
大学は休学中。今はホテルのルームメイド。私ってまるで幽霊みたい。
停電の夜、何かが起こる予感 ――。
どうしよう、これが私? 覚悟を決める。もう飛ぶしかない。どうせなら、うんと楽しんで。

 

パリ、シャルル・ド・ゴール空港内のホテル。
ここでは鳥が止まり木を渡るように、人びとが毎日忙しく行き交っている。
このホテルですれちがう、世界をひとり飛び回るビジネスマンのゲイリーと、
かわりばえのしない毎日をおくるホテルメイドのオドレー。
境遇はちがうけど、どこかで日々に行きづまった2人。自由になりたい 
――。

そんな2人に、明日を変えるちょっと不思議な出来事がふと訪れる。

監督:パスカル・フェラン

Pascale Ferran

1960年パリ生まれ。パリ第3大学で映画を専攻した後、IDEHC(高等映画学院)に入学し、アルノー・デプレシャン、エリック・ロシャン、ピエール・トリヴィディックと出会う。
卒業後は、ジャン=ピエール・リモザン監督『夜の天使』(86)、アルノー・デプレシャン監督『魂を救え!』(92)、マチュー・アマルリック監督「Monge ta soupe」(97)などに脚本家として参加。
94年、「死者とのちょっとした取引(Petits arrangements avec les morts)」で長篇監督デビュー。親しい者の死に直面した3人の主人公が、その死とどう向き合って生きていくのかというテーマを三部構成で描き、第47回カンヌ映画祭でカメラドール(新人監督賞)を受賞。フランス映画の新しい世代として注目される。
翌年の長篇第2作『a.b.c.の可能性』(95)は、ストラスブール国立劇場付属演劇学校の依頼を受け製作。同校に通う10人の若者たちを主役に、彼らが抱く不安や悩みを繊細に演出し、第53回ヴェネチア映画祭で国際批評家連盟賞に輝く。
06年、長篇第3作『レディ・チャタレー』を発表。D・H・ロレンス原作「チャタレー夫人の恋人」を翻案したこの作品で、ルイ・デリュック賞およびセザール賞5部門を受賞。
そして14年、長篇4作目となる本作『バードピープル』が、第67回カンヌ映画祭「ある視点」部門に選出された。
このほかドキュメンタリー作品に、サム・リヴァースとトニー・ハイマスの録音風景を撮影した「Sam Rivers / Tony Hymas : Quatre jours à Ocoee」(00)がある。また、スタンリー・キューブリック監督『アイズ ワイド シャット』(99)のフランス語吹替版の演出もしている。

撮影:ジュリアン・イルシュ

Julien Hirsch

1964年パリ生まれ。エコール・ルイ・リュミエール卒業後、撮影監督キャロリーヌ・シャンプティエのアシスタントになる。

その後、撮影監督として、ジャン=リュック・ゴダール監督『愛の世紀』(01)、『アワーミュージック』(04)、ジャン=ピエール・リモザン監督『NOVO/ノボ』(02)、「YOUNG YAKUZA」(08)、などを担当。パスカル・フェラン監督作へは前作『レディ・チャタレー』に続いての参加となる。

音楽:ベアトリス・ティリエ

Béatrice Thiriet
1960年パリ生まれ。ヴェルサイユ地方音楽院で楽曲分析と作曲を学ぶ。

映画音楽のほか、交響曲やオペラの作曲も手がける。パスカル・フェラン監督の長篇劇映画は、すべて彼女が作曲している。

スタッフ一覧

脚本:パスカル・フェラン Pascale Ferran / ギヨーム・ブレオー Guillaume Bréaud
脚本協力:セリーヌ・シアマ Céline Sciamma
ストーリーボード(スズメのシーン):ティエリー・セギュール Thierry Ségur
音楽:ベアトリス・ティリエ Béatrice Thiriet
撮影:ジュリアン・イルシュ Julien Hirsch
音響:ジャン=ジャック・フェラン Jean-Jacques Ferran
美術:ティエリー・フランソワ Thierry François
衣装:アナイス・ロマン Anaïs Romand
スズメの調教師:セリーヌ・ルダン Céline Reding / ギヨーム・コラン Guillaume Collin
製作主任:オード・カトラン Aude Cathelin
制作進行:ニコラ・ボロウスキ Nicolas Borowski / サラ・レーレ Sarah Lérès
編集:マティルド・ミュイヤール Mathilde Muyard
録音:ニコラ・モロー Nicolas Moreau
音響調整:ジャン=ピエール・ラフォルス Jean-Pierre Laforce
VFX:BUF
VFXスーパーバイザー:ジョフレー・ニケ Geoffrey Niquet
プロデューサー:ドニ・フレイ Denis Freyd

挿入曲

デヴィッド・ボウイ『スペイス・オディティ』
Space Oddity, David Bowie


ジュリアン・ドレ『ラ・ジャヴァネーズ』(作詞・作曲セルジュ・ゲンスブール)
La Javanaise, paroles et musique de Serge Gainsbourg, interprétée par Julien Doré

アナイス・ドゥムースティエ

Anaïs Demoustier/オドレー

1987年フランス、リール生まれ。

幼い頃から演技の学校に通い、12歳で映画デビュー(ドニ・バルディオ監督『約束 ラ・プロミッセ』00年)。

13歳で、ミヒャエル・ハネケ監督「タイム・オブ・ザ・ウルフ(Le Temps du loup)」(03)に出演、イザベル・ユペールの娘役を演じる。
18歳でパリに出て大学に通うが、すぐに中途退学して演技の道を選ぶ。いくつかの小さな役を経て、クリストフ・オノレ監督『美しいひと』(08)、レベッカ・ズロトヴスキ監督『美しい棘』(10)、ロベール・ゲディギャン監督『キリマンジャロの雪』(11)、クロード・ミレール監督「テレーズ・デスケルウ(Thérèse Desqueyroux)」(12)などに出演。

最近では、フランソワ・オゾン監督『彼は秘密の女ともだち』(14)のほか、ヴァレリー・ドンゼッリ監督「Marguerite et Julien」(15)で主演を務めるなど、今後の活躍が期待される女優である。

ジョシュ・チャールズ

Josh Charles/ゲイリー

1971年、アメリカ合衆国メリーランド州ボルチモア生まれ。

サマーキャンプや高校で演技を勉強する。

初めての映画出演はジョン・ウォーターズ監督『ヘアスプレー』(88)。翌年には『いまを生きる』(89)でロビン・ウィリアムズ、イーサン・ホークと共演する。
おもな映画出演作は、『スリーサム』(94)、『あなたに逢いたい』(96)、『S.W.A.T.』(03)、『フォー・ブラザーズ/狼たちの誓い』(05)。またテレビシリーズ「In Treatment」シーズン1(08)、『グッド・ワイフ』(09~)にも出演している。

ロシュディ・ゼム

Roschdy Zem(左)/シモン
1965年フランス、ジュヌヴィリエ生まれ。87年、映画デビュー。

アンドレ・テシネ監督『深夜カフェのピエール』(91)、『私の好きな季節』(93)では、小さな役ながら強い存在感を放つ。

その後、ピエール・ジョリヴェ監督「Ma petite entreprise」(99)と、グザヴィエ・ボーヴォワ監督「Le Petit Lieutenant」(05)で、セザール賞助演男優賞にノミネートされた。ほかの映画出演作に、『あるいは裏切りという名の犬』(04)、『この愛のために撃て』(10)、『虚空の鎮魂歌』(12)などがある。最新作はボーヴォワ監督『チャップリンからの贈りもの』(15)。また映画監督でもあり、長篇3作品を監督している。

タクリート・ウォンダラー

Taklyt Vongdara/アキラ
イラストレーター、アニメーター。

ジャック=レミー・ジレール監督「La prophétie des grenouilles」(03)にアニメーターのアシスタントとして参加。その後、コンピュータゲーム、ミュージックビデオ、テレビのアニメーション作品などに携わる。

本作で初めて役者に挑戦したほか、劇中のスズメのデッサンも描いている。

カメリア・ジョルダナ

Camélia Jordana/レイラ
1992年フランス、トゥーロン生まれ。

09年、フランスのオーデション音楽番組「Nouvelle Star」で3位となり、翌年アルバム「Camélia Jordana」で歌手デビュー。
役者としては、「Les Mauvaises Têtes」(12)や『恋のベビーカー大作戦』(13)に出演している。

キャスト一覧

オドレー・カミュゼ:アナイス・ドゥムースティエ Anaïs Demoustier
ゲイリー・ニューマン:ジョシュ・チャールズ Josh Charles
シモン(ホテルのフロント係):ロシュディ・ゼム Roschdy Zem
レイラ(オドレーの友人):カメリア・ジョルダナ Camélia Jordana
アキラ(画家):タクリート・ウォンダラー Taklyt Vongdara

バカール(シフト主任):アケラ・サリ Akela Sari
ロモン(残業をお願いする女性):アン・アズレイ Anne Azoulay

ボリス(ゲイリーの通訳):マニュエル・ヴァラード Manuel Vallade
ヴァンジェ(フランスのクライアント):イポリット・ジラルド Hippolyte Girardot
ケイトリン(アイランド社の受付):ジュヌヴィエーヴ・アダムス Genevieve Adams
アラン(アイランド社の同僚):ジェフリー・カンター Geoffrey Cantor
ドン・マッカラン(顧問弁護士):クラーク・ジョンソン Clark Johnson
ニュアラ(ホテルの宿泊者):カトリーヌ・フェラン Catherine Ferran
エリザベス・ニューマン(ゲイリーの妻):ラダ・ミッチェル Radha Mitchell

 

声の出演
ナレーション:マチュー・アマルリック Mathieu Amalric
オドレーの父:フィリップ・デュクロ Philippe Duclos
ゲイリーの妹:ケイト・モラン Kate Moran

今後の予定

京都   京都シネマ             ※9/3(土)~9/16(金)

沖縄   シアタードーナツ・オキナワ   ※7/18(月)~7/31(日)